ブラシとツール

ブラシの動作と特性

ツールをタップすると、すぐに描き始めることができます。Pixelbook Pen やさまざまなブラシは、傾きや筆圧にも対応しており、画面上でペンを傾けたり押し付ける動きに自然に反応します (ブラシごとに動作が若干異なります) 。さっそく試してベストな使い心地を見つけてください。

ツールホイールのセクションでも説明したように、中央リングでは、選択中のブラシのサイズ(どれくらい大きく描くか)、不透明度(どれくらい透けるか)、滑らかさ(描いた線をどれくらいスムーズに見せるか)を調整できます。滑らかさを0%にすると補正なし、100% にすると始点と終点の間を完全に直線で結びます。電車の中などでの作業や、手描きの線をきれいに整えたいときに便利です。いずれかの項目をタップするとプリセットが表示され、指でスライドすればショートカットで素早く調整できます。

ブラシメニューにアクセスするには、選択中のツールをもう一度タップするか、非選択のツールをダブルタップします。

ブラシメニュー

「ブラシ」メニューでは、基本のスケッチツールセットからツールを選択するか、「ブラシマーケット」から選ぶことができます。

メニューの上部にあるのはブラシビューアです。選択したブラシにあわせて、ストロークがプレビュー表示されます。

ビューアの下にあるのが基本ツールです。手描き風から製図用まで、さまざまなブラシを選ぶことができます。

さらにスクロールダウンすると、ブラシマーケットがあります。ここにはアーティスティックなブラシのライブラリが揃っています。単品購入もできますし、サブスクリプション契約ですべてを利用することもできます。

基本のブラシとツール

ペン

自己表現や不変性をカタチにするとき、スケッチで最もよく使われるのがペンです。ペン万年筆ツールは、描く速さに応じて線幅が変化し、速く描くほど線は太くなります。ダイナミックペンは筆圧に反応します。固定幅ペンはその名のとおり、一定の線幅を維持します。

ワイヤー

このツールは、従来のCADやベクターツールのように動作します。ズームしても線幅が変わらないため、ワイヤーフレーム、簡易CAD図面、遠近レイアウトなどに最適です。エクスポート機能を使って、ワイヤーを使った図面をSVGファイルとして他のベクターアプリに出力すれば、同じくクリアな線で表示されます。

ソフト & ハード鉛筆

本物の鉛筆をモデルにした定番ツールで、それぞれ質感や手触りが微妙に異なります。Pixelbook Pen など対応するスタイラスペンを使えば、傾き、筆圧、速度に自然に反応します。絶妙なシェーディングを描くには、本物の鉛筆のようにペンを傾けてみてください。

マーカー

コピックマーカーを使ったことがありますか?コンセプトのマーカーは、この人気マーカーと同じ質感、透明感、エッジを持っているので、ハイライトやテクスチャリング、イラスト作成などに大活躍します。お好みに合わせて、ペン先の太さや不透明度を自由自在に調整しましょう。

水彩絵具

このアーティスティックな水彩ブラシは、同じレイヤー内で重なり合う水彩ストロークが美しく混色します。同一レイヤー内では、別の種類のストローク (ペンなど) を間に使用することで、混色を防ぐことができます。消しゴムツール (後述) を使えば、混色に影響することなく、異なる部分をマスクすることができます。このブラシを無限レイヤーと共に使えば、自然なドライエッジの効果を出すことができます。

エアブラシ

このエアブラシは、本物の絵具のように繊細なテクスチャやソフトなエッジをスクリーンに描きます。スケッチ愛好者の人気ツールであり、ハイライトやペイントにも、デザインに輝きを添えることでしょう。

塗りつぶし

バケツ塗りツールとは異なるのでご注意ください (バケツ塗りはベクター形式にとって非常に難易度が高い技術であり、現在鋭意開発中です)。塗りつぶしストロークのツールは、コンセプト独自のブラシです。単純な形から屈曲や複雑な図形まで、あらゆる形状をペンや指先で描いて、ポジティブスペースを塗りつぶします。

「ポジティブスペース」とは、最初に描画した線の始点と終点の内側にある領域です。つまり、同じストロークで2度目に描かれた空間は含まれせん。塗りつぶしエリアが交差すると「ネガティブスペース」が生まれ、その部分は塗りつぶされません。同じストロークで3度目に描かれた空間は、再びポジティブスペースとなり塗りつぶされます。

塗りつぶしは滑らかでクリーンな仕上がりになり、不透明度もカスタマイズ可能です。陰影や光の表現や、複雑な図形の作成などに最適なこのブラシは、デザインやアートの可能性を広げるツールになるでしょう。

トラブルシューティング: 塗りつぶしは線の始点と終点を考慮するので、線の滑らかさは100%未満に設定してください。そうしないと、描いた形が線や点の中に消えてしまい、残りのストロークが存在しないかのように見えてしまいます。同様に、透明度は0%以上に設定してください。そうしないと他のストロークのように消えてしまい、その範囲を選択したときにやっと気づく羽目になりかねません。

ドット

注釈や境界線を入れたり、ちょっとレパートリーを広げるのに便利です。点線は、無数のドットではなく1本のストロークで描かれます。カラーや不透明度、滑らかさに敏感なテクスチャ感のあるストロークとしてご利用ください。

セレクション

「セレクション」ツールは、どのツールスロットにも追加できます。1つのアイテムのみを選択するアイテムピッカーと、複数を選択する投げ縄という、2つのモードがあります。この2つのモードは、キャンバスの下部にあるポップアップで切り替えるか、または画面の任意の場所に2本目の指を置いて一時的に切り替えることができます。

セレクションツールは、キャンバス上の任意の場所を長押しすることでも起動できます。スケッチに集中しているときにツールを切り替えずに使える便利な方法です。また、スタイラス設定内で、タッチジェスチャーとしてセレクションツールを割り当てることもできます。このツールの詳細については、セレクションの項目をご覧ください。

ナッジ

「ナッジ」ツールは、描いた線を1本の糸のように曲げたり歪めることができます。線を引っ張るには、ペンでストロークを直接タッチしてから、動かしたい方向へドラッグします。線を押すには、ペンを線から離れたところでタッチして、ペン先に小さな円が現れるのを確認してから、線に向かってペンを動かします。ツールのサイズは、ツールホイールにあるサイズのプリセットで調整可能です。小さいサイズでズームインすると狭いコーナーをナッジでき、大きいサイズでズームアウトするとゆるやかなカーブをナッジできます。

スライス

スライスツールは、ベクター形式では実物の消しゴムに最も近い働きをします。とはいえピクセル形式の消しゴムではないので、ストロークの角をぼかすことはできませんが、ストロークをバラバラに切断して、個別の独立したストロークとして再定義することができます。また円盤状のスライス範囲をスライドしてベクターデータを消去、すなわち破壊することもできます。

スライスの円盤の大きさは調整可能です。大きくして落書きをひとまとめに「消去」したり、または小さくしてより正確に切断してから残ったラインを選択・消去することもできます。

また、サイズをゼロに設定して、ストロークの長さを変えずに分割することもできます(正確な寸法が求められる場面で便利です)。UI上の円盤を線の上で横切らせても、見た目には何も変わっていないように見えるかもしれませんが、ストロークのいずれかの先端を選択してみると、2本に分割されているのが分かります。

塗りつぶしストロークのツールで作成した図形をスライスする際は、外縁部から図形の内側に向かって切断し、領域全体を分割します。

ソフトマスク&ハードマスク

ピクセル形式は、消しゴムで消したものを永久に削除します。一方ベクター形式は、異なる方法でデータの処理や記憶を行います。Adobe PhotoshopやAutodesk Sketchbook Proなどを使い慣れている方なら、これらのソフトのマスクツールと同じように機能するので分かりやすいと思います。マスクしたものは、視覚的には見えなくなりますが、データ自体は消滅しません。そのため、あとから古いストロークを取り戻したり、描き進めながらマスクを調整したりできます。

ストロークを完全に削除したい場合は、長押しで選択してから「削除」を実行します。またはスライスツールを使って、選択箇所を切断して削除するか、キャンバス上から破壊します。

マスクボタンをダブルタップすると、クイック消去メニューが開きます。ここで、現在のレイヤー上のすべてを削除するか、画像内のすべてをクリアするかを選択できます。

マスクはズーム率に関わらず同じサイズが維持されます。つまり、拡大するほどマスクする範囲が小さくなるので、細かい作業に便利です。また、「サイズ」スライダーでマスクのサイズを変更することもでき、マスク範囲も同じように拡大・縮小します。

ハードマスクはくっきりとした鮮明なエッジになります。ソフトマスクは鉛筆などいろいろなツールと相性が良く、自然で芸術的な風合いでエッジをやわらげます。

パン

作品をクライアントに見せたい、または無限大のキャンバスでパンしたい…そんなときは「パン」ツールが便利です。デッサンをうっかり選択、変更することなくパンやズームができます。

テキスト

テキストラベルを使うと、手際よくデッサンに注釈を加えることができます。テキストは、他のストロークや画像と同じ方法で操作可能です。

  1. 使用中のツールを「テキスト」に設定します。すでにツールバーに含まれているかもしれませんが、無い場合はブラシメニューから追加してください。
  2. 画面上の任意の場所をタップすると、新しいテキストラベルを追加できます。キーボードが表示されるので、文字を入力またはペーストし、キャンバスをタップしてキーボードを閉じると、ラベルが確定されます。

テキストラベルを編集するには、選択して、ポップアップに表示されるテキスト編集アイコンをタップします。キーボードが再び表示されます。

他のストロークと同様に、テキストラベルを選択して外観を編集できます。テキストを選択したら、ツールホイールを使って色や不透明度を変更したり、セレクションポップアップを使って回転・反転・拡大縮小・グループ化・ロック・削除などの操作が可能です。また、制御点を使えば、スター・ウォーズのオープニングのような遠近パースで引き伸ばしたり、描画に合わせて配置したりすることもできます。

コンセプトは、ユーザーのデバイスが入力対応するあらゆる言語に対応しており、絵文字も使えます。現在利用できるフォントは1種類のみですが、将来のアップデートで複数のフォントを提供予定です。

ブラシマーケットのブラシ

ブラシマーケットが提供する質感豊かでアーティスティックなツールは、実物を元にした画像ベースのスタンプで作られています。これらのペン (およびダイナミックペン) で描かれたストロークは、他のベクター形式のツールと同じように移動や調整が可能ですが、拡大するには限界があります。ピクセル形式の画像で作られているため、ブラシによっては拡大しすぎるとぼやけてしまいます。いろいろ試して気に入ったツールを見つけてください。または、作成済みの絵のストロークを選択して新しいツールに切り替えて、違った印象にトライしてください。

Waterful – アーティストのマシュー・ボールドウィンによる、美しい水彩風のウェットブラシパック。

Memphis模様 - ブラシに色を加えるだけで、遊び心ある模様が作品を彩ります。

外壁 - 設計図に自然でリアルな外観を。石材、パネリング、コンクリート、漆喰、鋼板など様々な壁材をお試しください。

パステル - 実物の素材をもとに制作されたドライパステル、オイルパステル、チョーク、パステル消しゴム、チャコールは、本物さながらの外観と質感を実現します。

鉛筆 - 基本ツールのハード鉛筆とソフト鉛筆を補完する鉛筆です。4B グラファイト鉛筆、2H グラファイト鉛筆、ナイフで削った鉛筆、カーペンター鉛筆、円形や四角型のグラファイトスティック、シャープペンシルなど、定番のスケッチ用鉛筆がフルセットで揃います。

ペン - これらのペンがあればインク式のデッサン道具一式は完璧です。ボールペンやゲルインクボールペンを始め、筆ペンは硬め、普通、柔らかめの3タイプ、さらにフェルトペンとフェルトマーカーをご用意しています。

スプレーペイント - 美しいスパッターやスプレー塗装で作品を彩るグラフィックペイントツールです。粒子タイプは粗め、普通、細かめのほか、フラット、サイドスプレー、スパッタなどのスプレーをご用意しています。

エアブラシ - あらゆるデザインをソフトで滑らか、均一に塗り上げるエアブラシです。ブラシは硬め、普通、柔らかめタイプのほか、ダイナミックとフラットタイプがあります。

ハーフトーン - ビンテージ感漂うハーフトーンブラシは、1890年代以降の印刷技術を元にしており、漫画やイラストにクラシックな風合いを添えます。