生活の質を高める住宅デザイン
建築家のルイス・フルシオさんが、インタラクティブなデジタルデザインを依頼主と共有することで、いかに居住空間の生活の質を高めることができるかを紹介します。
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「クリエイティブプロセスとは、クライアントと常に意見交換を行うことです。」
ルイス・フルシオ - 私の名前はルイス・フルシオです。ペルー出身で、建築家としてサンフランシスコのベイエリアで活動しています。専門は住宅デザインで、建築許可手続きや施工管理を含むコンセプトデザインの初期段階からプロジェクトに携わっています。
住宅デザイナーとしての目標は何ですか?
住宅デザイナーとしての最大の目標は、デザインを通じて、人々やコミュニティの生活の質を高め、次世代にポジティブな影響を与えることです。私は、次世代のために社会や環境の変化を進めていくにあたり、建築がどのように貢献できるかを常に考えています。
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内装のリモデルが完成したカリフォルニア州オークランドの中古住宅
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カリフォルニア州バークレーの中古住宅の内装リモデル
クライアントと家づくりを進めるプロセスを教えてください。コンセプトをどのようにワークフローに取り入れていますか?
クリエイティブプロセスとは、クライアントと常に意見交換を行うことです。コンセプトのアプリは、デザインのアイデアをデジタルスケッチで表現することができるので、依頼主と話しながらその場でデザインを変更したり、絵で説明した方が分かりやすいアイデアを伝えたりするのに役立っています。
お気に入りのデザインツールを教えてください。iPad やコンセプトのようなモバイルツールで、業務プロセスや生産性がどのように変化しましたか?
私が現在愛用しているデジタルツールはiPadとノートPCで、業務は100%デジタル化しています。iPadとコンセプトがあることで、効率性と生産性が格段にアップしました。私が大学で建築を学んだのは90年代なので、デジタルのタブレットやペンでささっと図面を描いて、当日中にクライアントに送ることができるなんて想像もしていませんでしたね。
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サンフランシスコの依頼主に提案した2通りのキッチンのリモデルプラン。キッチンとリビングに一体感を持たせるため、耐力壁を撤去する案に決定。SketchUpでベースとなる既存の住宅図面を作成してから、コンセプトで図面をトレースして提案図面を作成。
Instagramのチャンネルで、住宅デザインを視覚化する方法を紹介されていますね。これらのスケッチを作成するに至った経緯を教えていただけますか?デザインプロセスについて説明しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
2019年に、クライアント向けの作品ポートフォリオとして、また当時抱えていた進行中のプロジェクトの工事進捗を共有するために作成したのが、このInstagramアカウント@lfdesigns_bayareaでした。2020年からは内容を変えて、住宅設計のクリエイティブプロセスに関する図面の投稿を増やすことにしました。すると意外にも、建築専攻の学生や建築家、デザイナー、建築好きな人たちの間で少しずつ注目されるようになったんです。そこで、こういった内容に特化して発信することに決めました。
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数年前にカリフォルニア州アラモで設計した、インフィニティプールの平面図。Instagramのコンテンツの大半は、自らのプロジェクトをベースに、分かりやすく説明するために若干変更を加えたもの。
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Instagramの投稿用にコンセプトで作成した図面。家具やラグで空間をコントロールすることで、空間の用途を明確にするノウハウを紹介した。コンセプトでは、描いたものを個別のオブジェクトとして一つずつ選択するのではなく、グループ化してまとめて簡単に移動することが可能。
投稿を始めたきっかけは、デザインプロセスの初期段階で、クライアントからよく尋ねられる質問でした。例えば、「なぜオープンコンセプトの間取りはこんなに高いのか?」、「どうしてこの壁に窓を増設したのか?」、「なぜ2階が1階より奥まった位置にあるのか?」などといった質問です。建築の世界では、デザインの背景には必ず理由があります。私のInstagramでは、目で見て分かりやすいシンプルな絵を使って、こういった家づくりに関する疑問にお答えするように心がけています。
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カリフォルニア州サニーベールで設計した裏庭の離れの提案図。断面図では、バスルームの機械換気設備の仕組みを遊び心を加えて紹介 (断面図A-A参照)。この図面は、依頼主に提案したものとは多少異なる。
デザイン作品を作成して共有するコツやアドバイスはありますか?
具体的なコツといったものはありませんが、アドバイスならあります。デザインを創造して共有したいなら、迷わず実行しましょう。あなたの情熱やアイデアをどんどん世の中に発信してください。情熱を持って努力を続けると、素晴らしいことを成し遂げることができますよ。
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ルイス・フルシオ (Luis Furushio) 日本人の祖父母を持つペルー人。過去20年間にわたり、新築住宅、増築、内装リモデル、ファサード改修などの住宅設計を手がける。フルシオ氏の建築設計事務所 LF Design の詳細はこちら、建築デザインスケッチはInstagramの @lfdesign_bayarea で公開中。
インタビュー: Erica Christensen
翻訳: Wakana Nozaki
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